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大崎の元気づくりに向けた5つの重点戦略とは

「戦略」は都市再生への特効処方
平成14年、都市再生特別措置法に基づき大崎駅周辺地域が「都市再生緊急整備地域」に指定されたことに伴い、平成16年、東京都や品川区、都市再生機構、さらに当地区内の再開発組合、企業等で構成されるまちづくり組織(大崎駅周辺地域まちづくり連絡会)により、将来市街地像を共有し一体的なまちづくりを目指した「大崎駅周辺地域都市再生ビジョン」が策定されました。
この「都市再生ビジョン」では、地域の付加価値を高め、より効果的に都市再生を推進するために、「5つの重点戦略」を設定、大崎駅周辺地域では既にそれに沿った取り組みを実施しています。
そこで、大崎の付加価値を高めて“より元気なまちづくり”を進める「特効処方」とも言うべきこの5つの戦略、その内容に触れてみたいと思います。
ものづくり産業へ、大崎の潜在能力を活かす
戦略の1つ目は、「東京のものづくり産業を先導する拠点をつくる」というものです。元来、ものづくり産業にとって当地域は、国内でも有数な立地的至便性を誇る地域であり、とくに羽田空港へのアクセスの利便性からグローバルな企業戦略を進める上で有利な地域となっています。この立地面の優位性と大崎の特性でもある「ものづくり産業」の集積を活かし、大崎の潜在能力を最大限発揮できる諸機能(産学連携や起業家支援、人材育成等へのシステムや環境)の整備を進めていくことを狙いとするものです。
大崎の東西をつないで地域連携を
次に、戦略の2つ目ですが、これは「地域の連携を強化する都市基盤施設を整備する」というものです。大崎駅周辺地域は、もともと道路等の都市基盤施設が脆弱で、再開発の際の交通インフラ整備が重要な課題となり、また新幹線や空港へのアクセス強化に合わせた交通広場などの交通連結機能の強化も求められていました。これに対処し、駅東西連絡通路と一体となった交通結節機能を推進すること、さらに東西両地区をつなぐ歩行者デッキや歩行者ネットワークの充実を図るなどの方策を具体化しています。
ここが大崎だ、と誇れる都市景観を
また、戦略の3つ目となるものですが、これは「地域全体で協調し、個性的な都市景観をつくる」というものです。これについては別頁「生まれ変わった大崎駅西口地区」でも触れていますが、当戦略の目的は「地域の魅力の向上」にあります。誰もが“ここが大崎地域だ”と認識できる個性的な都市景観をつくり、大崎のイメージの確立と知名度アップを図るというもので、これには地域の景観形成への基本理念の共有や、デザイン・ガイドラインの充実等の方策が求められていました。これについては、既に大崎駅西口地区の各地区でこの理念に沿った一体的なまちづくりが進められ、その成果が現実的なかたちとなって創出されつつあります。
(※「生まれ変わった大崎駅西口地区」参照)
目黒川を「風の道」に
さらに4つ目の戦略ですが、これは「目黒川を環境資源として活用する」ということです。地球温暖化対策やヒートアイランド対策は都市再生の重要なテーマであり、このために河川等の都市環境インフラの再生が課題となっています。これに対し大崎駅周辺地域では「環境配慮ガイドライン」の策定に基づき、目黒川を積極的に活用するための施策が進められています。目黒川を「風の道」の確保やヒートアイランド現象緩和策に活用するほか、水に親しめる街並み、川と触れあう空間をも創出しようという取り組みがなされているのです。
まち運営組織が大崎の元気づくりを推進
最後の5つ目の戦略ですが、これは「継続的に発展するための体制をつくる」というものです。大崎駅周辺地域は個々の開発地区が散在的かつ段階的に整備されていくため、地域全体の魅力を高めてまちが持続的に発展するには、「全体としてのまちづくり」を進めていくための体制作りが重要となっています。このため、既存のまちづくりに携わる組織や団体と連携し、地域の付加価値を高めていく「まち運営組織」の組織化が不可欠で、これへの具体的方策として求められた結果が、「一般社団法人大崎エリアマネージメント」の設立となっています。
当組織は、既にこれまで公共公益施設の維持管理と運営など、「まち運営」に求められる機能を果たしつつ、地域の付加価値を高めて「大崎のさらなる発展」への歩みを持続させるべく努力を続けています。

以上が、効率的な都市再生に向けた「5つの戦略」の要諦となります。現在では、この基本的な戦略の枠組みに沿いつつも、時代の変化に即したより適切な取り組みへの指針を付加することも視野に、関係者一同、より優れたまちづくりの方策を模索し続けているという点も付け加えたいと思います。

山口 芳雄【略歴】
1949年生れ 中央大学法学部卒。
1972年 旧勧業不動産株式会社(現日本土地建物株式会社)入社。
不動産開発業務を経た後、今日まで一貫して市街地再開発事業を担当。
2007年一般社団法人大崎エリアマネージメント事務局長代理に就任。
現在、大崎駅西口南地区市街地再開発組合 コンサルタント兼主任